忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

J村幻視②

過日、妹から一通のメールを受け取りました。

J村役場職員3名が住む家の隣で、
彼女は両親と一緒に暮らしているのですが、
生活のリズムが違ったり、
お互い仕事があったりで、
最近では中々顔を合わせることもありません。

メールの件名は【こんなの出て来たよ】。

見せたかったのは、
どうやら添付してあるファイルらしい。

  「なんだろう?・・・」

クリックしてみると「こんな」画像が。









fbc2d3b6.jpeg






あああ、これは・・・

こちらのエントリーで↓、
http://akaruij.blog.shinobi.jp/Entry/3/
昔のJ村の話、
古い祖父母の家のことを書きましたが、写真はその庭。

正面奥に見えるのが物置、
右手に物干し台の柱、
祖父が廃材で作ったテーブルや椅子もありますね、
左手に写った洗濯機のさらに左、
画面の切れたあたりに
手動のポンプ式井戸がありました。

そして、半そで半ズボン姿、
ビーチサンダルをつっかけ
左手にシャベルを持って
こちらに背中を見せているのは。

私。(汗)

この背格好からすると、
たぶん、3、4歳の頃でしょうから、
写真の撮影時期は昭和45、6年頃。

地面に柿の木の葉影と木漏れ日の
まだら模様が見えます、
私のしている服装からしても、
季節は夏でしょう。

ちなみに私が増殖しているのは、
クローン技術の成果ではなく、
20年くらい前、
生まれて初めてフォトショップというソフトを使い、
古い写真で遊んだ結果。

その時のデータが
妹の使っているパソコンに残ってたんですね。

妹からのメールの本文には「どう?」と、
疑問符を含めて3文字のみ。


「どう?」って言われてもなあ・・・


今よりもっと地面に近いところに
鼻があった頃の庭の土の匂い。

柿の木にしがみついて鳴く蝉の声。

クーラーもなく、
真っ黒い古い扇風機と団扇と扇子だけが
冷房器具だった夏の暑さ。

軒先の風鈴の音と、
夢のように冷えたサイダーのグラス、
入道雲に縁取られた青空、蚊取り線香の煙・・・


どうなんだろう?


懐かしさだけじゃない。

そこには何か別のものもある。

なんだろう?

40年近い歳月を経た今も、
夏がくれば聞こえてくる蝉たちの声に
今年もまた耳を傾けながら、
じっくり考えてみることにします。

PR

現代の味

6月の終りの週末。

職員Kと2人で、J村を散歩。

J村銀座商店街を北へ向かって中ほどまで進み、
路地を西に曲がってしばらく行くと、

  「ほら」

職員Kが指さす方、通りの左手に、
こちらの「千草寿司」さんがありました。

64f20d10.jpeg







  「ここはね・・・」

職員Kが知り合いのJ村ベテラン村民・主婦Hさんから
聞いたところによれば、
千草寿司さんは折詰寿司のテイクアウト専門、
近隣の住人から長く愛され続けているお店だそうで。

  「ははあ・・・」

散歩の途中、
これまでにも何度も前を通っていたお店の看板を
あらためてよく見ると、
そこには「現代の味」という挑戦的なキャッチコピーが。

二流三流の老舗にありがちな、
先例に闇雲に固執する頑なさとは無縁。

新しい時代の兆しを読む先見性と、
柔軟な姿勢と、
冒険心溢れる創意工夫が信条。

そういうことなのでしょうか。

  「どれどれ・・・」

私、残念ながらまだこちらのお寿司を試したことがなく、
職員Kの話に興味を引かれ、
さらに近付いてショーウィンドーをのぞいてみたところ、
このような作品が。






3bdb71b5.jpeg







主婦Hさんの話によれば、

  「いろんなネタがのってて、
   子どもの誕生日なんかに頼むと、
   結構盛り上がるんだからっ♪」

とのこと。

ccb2a853.jpeg







「寿司」という日本の伝統食に、
「デコレーション」という
欧米流の華やかなコンセプトを掛け算。

商品見本を見る限りでは、
掛け算の答えは意外にも「わびさび」、
私たちは、らせん状に一巡りし、
伝統の進化形を目の当たりにしているのか?!

まさに伝統と革新の火花散る融合。

よし。

近いうちに、商品見本じゃなく、
絶対にこの目で現物を確かめてやる。

言い知れぬ興奮に震える指でシャッターを切りながら、
胸の内で固く誓う、J村の昼下がりだったのだった。