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夏休み

8月28日、土曜日、午後。

職員Yと近所のプールに行く。

この夏、クロールで安定して25mを泳げるようになったY、
今度は平泳ぎ25mに挑戦中。

ところが中々思うようにいかないらしく、
Yからその話を聞いていた職員Kに


   「一度見てやって欲しい」


と頼まれていたのだ。

そんなわけで、
夏の昼下がりの炎天下、
2人でてくてくとプールへ向かったのだが、
道中、野アザミの生えた場所に通りかかる。

歩道沿いのガードレールの際、
背丈は私の膝より少し上くらい、
50cmちょい。

トゲトゲした葉のついた茎が何本か
真っ直ぐ伸びている。

8月の頭に見た時は
紫色の花が付いていた茎の先には、
代わりに、薄いベージュ色をしたホワホワっとしたものが。

綿毛だった。

そうか。

野アザミの花は綿毛になるんだっけ・・・

立ち止まり、
覚束ない記憶を辿る私の目の前で、
陽の照りつける歩道の上を、
瀕死の油蝉が、じり、じり、と這い進んでいた。



Yの平泳ぎは、
この泳法の主な推進力を生みだす
キックのフォームにやや難があった。

キックした後の体を伸ばすタイミングや
手の掻きのタイミング自体は、
まだ完全とは言えないがそれほど悪くない。

キックが上達し、
前に進む力がもっとついてくれば、
泳ぎ全体は自ずと改善されてくるだろう。

そう思った。


  「ビート盤を使ってカエルキックの練習をしてみたら?」


アドバイスに従ってキックの練習をしたり、
慣れてきたクロールの具合を確かめたり、
プールの底にただ潜って楽しんだりするY。

Yの様子を見ながら、
その合間に25m完泳用のコースを往復する私。

2人でひとしきり泳いで午後の2時半過ぎ。

プールを後にしたYと私は、
自動販売機で買った冷えたジュースを飲みながら、
役場へ引き返した。

まだ日差しは強いが
ありがたいことに湿度が低かったので
日蔭はひやりと涼しい。

気持ちの良い風も吹いている。

あちこちから蝉の鳴き声が聞こえてくる。

ここのところ延々と続いている
猛暑の辛さを束の間忘れ、
季節が夏であることを
許してもいい気分になってくる。

てくてくてくてくてくてくてくてく、
先程の野アザミのところまで戻ってくる。

瀕死の油蝉は舞台から姿を消している。


   「ああぁあ~~~あぁあぁ~~~」


あたりに人気がないのを幸い、
私は声を上げながら綿毛の房を手で払い
盛大に飛ばして遊んだ。


   「ちょおっとお~!やぁめてよお~っ!!」


人目をはばからぬ私の振舞いを咎めるYの顔は笑っている。


ふわりふわりふわりふわり。


乾いた熱い風に乗って、
ケサランパサランのような綿毛が
Yの肩越しに飛んでいく。


ふわりふわりふわりふわり。


野アザミの綿毛も、瀕死の油蝉も、プールも、
全ては3日前の出来事だ。


ふわりふわりふわりふわり。


そうか。


Yの通う小学校の夏休みは今日までだ。


私の夏休みではないが。


ちょっと寂しいな。

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金目銀目

大昔に飼っていた「ツブ」という名の白猫。

いわゆる「金目銀目」というやつで、
左右の目の色が違っていたんです。

本人(?)の写真は残っていないで
直接お見せできないのですが、
金目銀目の白猫の写真、
ネット上から拾ってきてみました。

こういう目をした白猫をご覧になったことのある方、
結構多いのではないでしょうか。

e48631a8.jpeg







英語では「オッド・アイ(Odd-eye)」、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E7%9B%AE%E9%8A%80%E7%9B%AE
これは白猫に出やすい虹彩異色症だそうで、
日本では縁起の良いものとされてきたようです。

で・・・

どうして急にこんな話を始めたのかというと、
4日前の月曜日に撮った写真と
今朝撮った写真を並べて見ている内に、


  「ああ、これは金目銀目だわ」


と思い、


  「あ、そういえばツブという猫がいたっけなあ・・・」


というようなことになった次第です。

それではご覧ください、明るいJ村の金目銀目、こちらです。














93616577.jpege73e2689.jpeg






 

MORNING on EARTH

8月の暑さも今年はヒトシオで、
部屋の中で何もせずに座っているだけなのに
朝からじっとりと汗ばんでくるような日が多い。

夏の疲れも溜まってきたし、
そろそろ涼しくなってくれないかなとも思うけれど、
一年を通じて、太平洋高気圧と熱帯低気圧の2トップが
競い合うようにして活躍するこの季節ほど、
空の様子がダイナミックに変化する時期は珍しく、
見ていて飽きない。

昔、ある友人が、


  「8月の空を見ていると、
   “PLANET”という言葉が思い浮かぶ、
   ああ惑星の上に住んでいるんだなと実感する」


と言った。

なるほどそうかもしれない。

ここ明るいJ村も、
小さいながらも
やはり地球上の一エリアをしっかりと占めていて、
無音の宇宙空間を猛スピードで移動しながら
巨大な気象運動の中に包み込まれている。

そんな風に感じる空を、数日前の朝にも見かけた。









f4a3761d.jpeg







うむ、地球の朝だ。