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南側の踏切の南端あたりに、
一軒の立ち飲み屋があります。
店の名は「野之屋」。
日の暮れ方に通りかかると、
温かそうな灯りと、
酒とモツ焼きの旨そうな匂いが
店の外にあふれ出してます。
こんど足を運んでみようと思ってますが、
写真は、お店の軒の上に立っている丁稚どん。
夜はこのようにライトアップされております。
丁稚どんの背面左側に見える、
M
ショ
頭上の、
au
の、白ペンキで塗りつぶされた文字が、
野之屋さん開店までのいきさつを、
問われるともなく物語っているようで・・・
この丁稚どん、
雨風とお天道様にさらされて
うっすらとできた顔の縦じまと、満面の笑みと、
ミツウロコ紋の入った前掛けを真東に向けて、
今日も健気に軒の上に立っているはずです。
*
20090224
J村役場職員・S
2009年2月某日、午後。
私にとって村は、
母方の祖父母の実家がある場所でした。
昭和40年代後半のことです。
村のバス通りからは網の目のように細い路地が伸び、
長い時間をかけて踏み固められた
路地の湿った黒い土の上には、
不揃いな敷石がでこぼこと並んでました。
体が小さくおっちょこちょいだった私は、
敷石の出っ張りに足を引っ掛け、
よく転んでましたっけ。
で、そういう細い路地はもちろんのこと、
太い通りのあちこちにも、
こんな感じの木造の家が、
まだいっぱい残ってたんです。
*
C県K市にあった新興の団地で、
両親と妹と4人で暮らしていた私にとって、
J村は一大アミューズメントパークでした。
休日、電車に乗って遊びに来るたびに、
祖母からお小遣いをもらい、
妹と一緒に近所の駄菓子屋へ走る、
J村銀座商店街のおもちゃ屋へ走る。
目当ての場所までの道すがら
よその家の庭に面した、
猫ション臭い路地を抜けるとき、
「とお~らせてくださあ~い!」
妹と2人、声をそろえて言うと、
座敷の奥の暗がりから、
「・・・はい、どーぞー」
と、くぐもった小さな声が聞こえてきたものです。
祖父母の家は古い文化住宅でした。
玄関脇に洋間が1つだけついた木造和式の平屋。
背の低い板垣で路地と隔てられた、
広い土の庭がありました。
庭の片隅には手動のポンプ式井戸があり、
当時すでにぼろぼろに汚かった木製の物置があり、
大きな柿の木が3本ありました。
夏にはそこで花火をします、縁側でスイカを食べます。
お風呂は祖父が薪で焚いてました。
庭先で祖父の薪割りにちょっかいを出したり、
一緒になって風呂釜の焚口に薪を放り込んだりするのも、
普段、2DKの間取りの明るい団地に
暮らしている小学生にとっては、
貴重な楽しみの1つでした・・・
あれから30年以上の時間が経ち。
おじいちゃんもおばあちゃんも。
あの懐かしい家も風景も。
ぜんぶこの村から消えてしまいました。
時にはこんなふうに、
1枚の写真をよすがにして、
思い出してみるのもいいものですね。
*
20090219
J村役場職員・S
J村の茶の間です。
ここに茶の間があることに気がついてから、
かれこれ20年経過してますが、
まだ、一度も中に入ったことがありません。
扉の向こうでは、
日々どのような団欒が繰り広げられているのか。
すべては謎に包まれています。
それにしても、、、
この部屋の住人たち、
ネットの世界にはかなり縁遠そうです。
茶の間にはブログもホームページもないようですし。
まさかメルマガはないでしょうし・・・
おそらくこの写真と日記が、
こちらのネットデビューになるはずです。
ちなみにここ、
グーグルのストリートビューでも
死角になってました。(笑)
ううむ・・・
同じ村の中なのに、
なんだか宇宙の果ての映像を
見ているような気がしてきました。
J村役場宛てに、
素敵な女性から素敵なチョコケーキが届きました。
まるで村の誕生を祝福してくれるかのように、
お花と黄色い「J」の文字まで添えられてます、
これはお店の方の粋な計らいでしょうか。
わかる方にはわかると思いますが、
どことなくセサミ・ストリートっぽいです。(笑)
可愛いなあ。
みりさん、お店の粋な店員さん。
役場職員一同、感激いたしましたっ!
ありがとうございますっ♪
*
20090217
J村役場職員・S
この町で暮らしてる。
出かけていったり、帰ってきたり
喜んだり、悲しんだり
出会ったり、別れたり
元気になったり、疲れたり
いろいろとする手前のところで
まずは
この町で暮らしてる。
そういう順番だ。
地面に線が引いてあるわけではないけれど
何かにくるりと囲われた
この「村」のような場所に
ちょうどボタンを縫い付ける一本の針のように
近づいたり離れたりしながら
見聞きしたもろもろを
記録に残しておきます。
きちんと後で思い出せるように。
*
二月某日、快晴。
北西から吹く冷たい風がきつい一日。
満開だった近所のOさん宅の梅、
この日の風で、
かなり花びらを散らしてましたが、
晴れ空をバックに、まだ紅白が鮮やかで。
(枝ぶりも、いいんだよなあ・・・)
と、強い風と午後の陽光のまぶしさに目を細めながら、
一人シャッターを切っていると、
突然、風がやみまして。
とたんに、陽のぬくみと、爽やかな梅の香りが。
・・・そうそう。
梅といえば、
駅前のアーケード商店街「J村銀座」には、
「梅の木」という喫茶店があります。
http://www.jujo-ginza.com/omise/umenoki/umenoki.html
スタ▼とか、ド△ールとかもいいですが、
たまにはこういう
計算し尽くされてない感じのお店で、
ずずずとコーヒーをすするのも、乙ですよ。
*
同じ日の暮れ方。
風の音に驚いて窓の外に目をやると、
庭のヤマボウシの木が大揺れにゆれてました。
私、風呂上がりだったんですが、
なんとなしに気が急いて、
スウェット姿で上着も羽織らず、
マフラーだけ巻いてサンダルをつっかけ、
外に飛び出すと、
空には、一片の雲もなし。
くしゃみが一つ。
*
20090213
J村役場職員・S