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石神井川を西へ②

承前↓
http://akaruij.blog.shinobi.jp/Entry/186/



サドルの上、
晩秋と初冬の境目の
暖かな午後の日差しを背中に受け、
知らない町並みを眺めながら
細い川の流れに沿ってペダルをこぎこぎ思い出す。

これまでの人生で、
一番自転車にお世話になっていた時期、
つまり、小学生の頃のことを。

日曜の午後、
いつも一緒に遊んでいた友だちが運悪くおらず、
只一人、家で暇を持て余すようなことがあると、
とりあえず自転車に乗って町に繰り出したもんです。

家の近所を宛もなく自転車で走り回っていると、
だんだんと日が傾いてきて、
勿体無いような寂しいような、
ああいかん、
このまま一日が終わるのか、
今日ここから何とか一盛り上がりして、
有終の美を飾ることができないものか、
そうだ、この道をいつもの交差点で引き返さずに、
そのまんま走って行ってみよう・・・・・・

なんてやっている内に軽く道に迷い、
気が付けばあたりは既に薄暗く、
街灯や商店や団地の明かりが
はっきりと目立つようになっている。

あああ帰り道が分からない、
胸はドキドキ、口の中はカラカラ、
両目の奥のあたりがむうっと熱く膨らんだようだ、
ここはどこだろう、
晩御飯までに家に着けるかなあ、
明るい自宅の茶の間の風景を
妙に懐かしく思い出しながら、
あっちに進みこっちに曲がりしていると、
ようやく見知った場所に飛び出して、
ああああよかったよかったホッと一安心、
というようなことがよくありました。

その点、川沿いの道は、
どこまで行っても逆方向に進めば
必ずもと来た場所へと帰れるわけで、
程よい迷子感と放浪感が楽しめていい、
うむ、おれも小学校を卒業してから
無駄に数十年生きてきたわけではなかったのだ、
自分でも知らない間に大人の知恵を身に着けて、


   「おーーーい!がんばれよーーーー!」


うわあ!びっくりした!

突然現れた自転車に乗った小学生の二人連れ、
道の左手の運動場で野球をやっている
小学生たちに向かって、
一人が大きな声援を送りました。


   「どっち応援してんの?」

   「いや、とくにどっちも、、両方」・・・


私を追い越していくリアル小学生たちの会話が
微かに聞こえてきました。

1e80eb06.jpeg







大人の知恵もいいけれど、
小学生やってるのも悪くないなあ。

そんなことを思いながらしばらく行くと、
川沿いの道は大きめの通りにぶつかり、
突然立ち消えたようになっていました。

どうやら川は、
この遊園地の敷地の中を通り抜けている模様。

9421f323.jpeg







何となく気持ちの区切りが付き、
道を引き返すことに。

川の北側の岸沿いの道を、今度は東へ。

しかしあれだなあ。

自転車に乗っていると、
三次元空間内を移動できるだけでなく、
意識の中では時間を過去に遡ることもできる。

ふむふむ。

自転車はタイムマシンにもなるんだ。

人間、ペダルをこぐことに慣れてくると、
サドルの上でいろんな考えごとをするようです。

で・・・

そうこうする内に、
往路で見送った大きな公園に差し掛かりまして。

公園の木立の間を縫う道を行くとこんなものが。





423ea14d.jpeg70517639.jpeg







発掘・復元された竪穴式住居は、
八世紀初め(奈良時代初め)のものとのこと。

5dee742a.jpeg








いや。


いくらなんでも、
そこまで過去に遡るつもりは・・・ ;


往復約2時間の行程。

距離にして約18km。

時間にして約1,300年のトラベルでした。

7078fe00.jpeg










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★栗原遺跡
http://www.city.nerima.tokyo.jp/annai/
rekishiwoshiru/rekishibunkazai/bunkazai/bunkazaishosai/b046.html

 

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