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認めん



2014年10月4日、土曜日、午前7時頃。

テレビのニュースでは、
明日から台風18号の影響で
天気が崩れるとの予報。

雨が降り出すまでの時間を
何となくもったいなく感じ、
朝食前の10分ちょっとを使って、
自転車で村内を視察することに。

文字通り「朝めし前」のプチ・ポタリング。

明るい曇天の下、
サドルの上で風を切るのが心地よい。


 「オレ的には、
  今日1日をまだ始めた
  つもりはないんだけど……」


という風情のステテコ姿のおぢさんが
路上でぼーっとしている。

玄関ポストに
新聞を取りに出てきた
髪ぼさぼさのおばさんが着ている
色あせたピンクのスウェットは
きっと寝間着なんだろう。

部活動だろうか、
スポーツバックを下げた
制服姿の女子高生が、
確固たる足取りで歩道を行く。

今まで通ったことのない
真っ直ぐな細い路地に入ってみる。

ブロック塀越しに、
開いた窓の中をちらりとのぞくと、
薄暗い蛍光灯に照らされた
古い箪笥が見えた。
 
路地を抜け左折する。
 
やがて道が下り始める。
 
下り切り、
そのままくねくねと
蛇のように伸びる車道をいく。
 
ペダルをこぎながら
朝の空気を胸いっぱい吸い込む。


  (もう秋なんだな……)


そう思ったとたん、
歩道沿いに咲いた
大きな向日葵の花が目に入ってきた。




  「もう秋だと?わしは認めんぞ」


叱られた。

詫びるような気持ちで、
シャッターを切った。

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